脳を鍛えるには運動しかない!
一行書評
【運動は正義だ!!!】
これでもか!というほど運動が脳に良いことが、実例や研究結果と共に書かれています。
・運動をさせた子供は成績が上がる
・運動すると35%も脳の神経成長因子が増える
・運動することでストレスやうつを抑えられる
・運動で5歳児のIQと言語能力には大きな差が出る
・運動する人は癌にかかりにくい
・運動を週2回以上続ければ認知症になる確率が半分になる
とにかく分厚い(345ページ!)上、運動が脳や心に良い様々な実例が次々と紹介されてくるので、
「…分かった、とにかく運動すればいいんだね^_^;」という気持ちにさせられます。
本を読むのをやめて運動に向かわせるため、あえてこのような作りになっているのかもしれませんが^_^;
とにかく、「じゃあとりあえず運動しとこうか」とは思わせてくれる本です。
二行書評 〜もう1行付け加えるなら〜
【とりあえず、できることから始めてみよう】
運動が脳にいいことは分かりましたが、では実際、どのくらいの運動をどの程度すればよいのでしょうか?
有酸素運動を週に6日、45分〜1時間
そのうち4日はジョギング程度の中強度の運動を長めに、
2日はランニング程度の高強度の運動を短めに
というのが答えですが、現代人はあまりにも身体を動かさないので、本当のところはもっと運動してほしいようです。
とはいえ、ジョギングを週6日45分以上ってハードルが高いですよね?
少なくとも、私には無理です。
大多数のアメリカ人にとってももちろん無理な要求なので、著者は、できることから始めることを勧めています。
お昼休みに会社の周りをウォーキングしたり、エレベーターを使わずに階段にしたり、
駐車場では遠いところに止めたり。。。
ささやかでも、やればやっただけ効果が表れるそうです。
効果が実感できれば、運動しようというモチベーションが生まれ、運動することにより、さらに効果が出る。。。
という好循環が起こるはずなので、わたしも今日から運動を始めようと思います。
失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織
一行書評
【成長には失敗が欠かせない】
著者は、引退前年のベッカムにインタビューをしています。
「私のフリーキックというと、みんなゴールが決まったところばかりイメージするようです。でも私の頭には、数え切れないほどの失敗したシュートが浮かびます」
バスケットボールの神様、マイケル・ジョーダンもナイキのCMで言っていたそうです。
「私は9,000本以上シュートを外し、ほぼ300試合で負けた。ウイニングショットを任されて外したことは26回ある」
彼らの思考は、「失敗をしてもいい」でさえなく、「失敗が欠かせない」のだそうです。
彼らの思考は、「成長型マインドセット」と呼ばれるそうです。
知性も才能も努力によって伸びる、と考えるため、ちょっとぐらい失敗しても、失敗を成長に欠かせないものとして受け止め、失敗から学んだことをフィードバックし、根気強く努力を進めるのだそうです。
一方、失敗を嫌悪する人たちの思考は、「固定型マインドセット」と呼ばれ、知性や才能はほぼ固定的な性質だと捉えているそうです。
そのため、ちょっと失敗するとすぐに「自分に才能がない証拠」と受け止め、改善や努力を止めるため、成長しないのだそうです。
陶芸クラスで行われた実験も紹介されています。
ある陶芸クラスを2つに分け、一方は作品を「量」で評価し、一方は作品を「質」で評価すると告げました。
すると、全作品中最も「質」の高い作品は、「量」のグループであったそうなのです。
量のグループは、実際に作品を次から次へと作って試行錯誤を重ね、粘土の扱いも上手くなっていった。しかし質のグループは、最初から完璧な作品を作ろうとするあまり頭で考えることに時間をかけすぎてしまった。結局後に残ったのは、壮大な理論と粘土の塊だった。
ある心理学者は、完璧主義に陥りやすい「質」至上主義の人のために、次のようなポリシーを持つことを勧めているそうです。
「すばらしいミュージシャンになるために、まずひどい曲をたくさん演奏しよう!」
「強いテニスプレーヤーになるために、まずたくさん試合に負けよう!」
「エネルギー効率の良い設計やミニマリズム建築(極限的にシンプルな美を追求した建築)で第一人者と言われる建築家になるために、まず非効率で野暮ったい建物をデザインしよう!」
わたしも、この言葉に励まされて、この書評ブログを始めました。
わたしの文章は意味不明で、分かりにくいかもしれませんが、まずは始めてみることにします。
量をこなすうちに、読者の方のお役に立つ記事が書けるようになることを祈りつつ・・・
2行書評 〜もう1行付け加えるなら〜
【犯人探しは百害あって一利なし】
著者は、イスラエル軍による民間機銃撃事件、イギリスの幼児虐待死事件、最悪のニアミスと言われる航空機事件のノベンバー・オスカー事件を例に、直感による犯人探しと魔女狩りの危険性を説きます。
私たちは何か事件が起こるとすぐに、誰が悪いのか断罪する傾向にありますが、背後を深く探って事実を突き詰めてみると、誰も悪くなく、不運やミスがたまたま重なっただけ、ということが往々にしてあります。
スケープゴードに罪をなすりつけると、私たちは安心しますが、それでは失敗から学べない、と著者は説きます。
「失敗の科学」ではたびたび航空業界が例として取り上げられていますが、この業界は他の大多数の業界と異なり、何か不測の事態が起こると、その原因を徹底的に調査し、結果を公表することが徹底されています。
そのため、飛行機事故が多かったのですが、2013年には30億人の人が飛行機に乗りましたが、亡くなったのはわずか210人のみだそうです。
その裏には、失敗データを集める仕組みと、失敗した人を責めない仕組みがあるそうです。
パイロットはニアミスを起こすと報告書を提出しますが、10日以内に提出すれば処罰されないとか、飛行機が設定した高度などを逸脱すると自動的にエラーレポートが送信されますが、データからは操縦士が特定されないようになっているなど、失敗を報告しても処罰されない風通しの良い風土が重要なのですね。