一行書評

様々な本のエッセンスを、ずばり一行でまとめています。

嵐が丘

一行書評
【私はヒースクリフです!】

嵐が丘を初めて読んだのは、中学生か、高校生の頃でした。
当時は何が良いのかさっぱりわからず、その前に読んでいた、ブロンテ姉妹の姉のシャーロットの手による、ジェーン・エアの方がずっと面白いと思っていました。
が、大学生になり、ふと再読してみたところ、その圧倒的な激しさに感動し、私の中で1、2位を争う傑作となりました。

前半は、アーンショー家の娘キャシー(キャサリン)と、キャシーの父親がひきとったジプシーの孤児ヒースクリフの悲恋の物語です。
キャシーの父親が亡くなると、ヒースクリフはキャシーの兄に冷遇されます。
キャシーとヒースクリフはとても仲が良いのですが、キャシーはアーンショー家よりも家柄の良いリントン家の息子、エドガーにプロポーズされ、受け入れてしまいます。
その夜、キャシーは物語の語り部である家政婦のネリーに胸の内を語ります。

私はヒースクリフを愛しているが、ヒースフリフと結婚すれば、二人とも乞食になるしかない。
エドガーへの愛はうつろうものだが、ヒースクリフへの愛は地底の巌のように永遠であり、ヒースクリフの魂とわたしの魂は同じ、
私はヒースクリフです!
と叫びます。

男女の愛というより、生まれるときに引き裂かれてしまった一つの魂、とでも言うような結びつきを感じさせます。

I am Heathcliff.
ちなみにこのフレーズ、「みんなで学ぶNHK語学フレーズ ゴガクル」に例文として掲載されているんですね。
https://gogakuru.com/english/phrase/20538
正確な解釈としては、「私はヒースクリフそのものなの。」になるそうです。

 

二行書評 〜もう1行付け加えるなら〜
ヒースクリフの復讐は、完全な裏目に出たかも】

「私はヒースクリフです!」の時点で、物語はまだまだ1/4程度。

キャサリンの告白の前半、ヒースクリフと結婚することは落ちぶれることを意味する、の部分しか盗み疑義しなかったヒースクリフは、出奔します。
それを知ったキャサリンは激しく動揺し、ついには精神に異常をきたします。

それでも数年後にエドガーと結婚しますが、そこに一財産を築いたヒースクリフが帰還します。
ヒースクリフエドガーの妹を誘惑し、結婚、一人息子が生まれます。
キャサリンは、エドガーの娘を生み、息を引き取ります。

ヒースクリフは、かつて自分を虐げた、キャサリンの兄の息子、ヘアトンを召使いのように扱い、自身の子供と、キャサリンの娘、キャシーとを結婚させ、リントン家の財産を掠め取ります。

嵐が丘」に皆で一緒に住み、ヒースクリフの復讐は成就したかに思えるのですが。。。

病弱な息子は死に、未亡人となったキャシーとヘアトンは心を通わせ始めます。
ヒースクリフは、キャサリンの魂が20年間荒れ野をさ迷っていることを知り、キャサリンの魂と一緒になるため、4日間絶食し、絶命します。

結局、ヒースクリフの血は、キャサリンの血と交わることがないのでした。