一行書評

様々な本のエッセンスを、ずばり一行でまとめています。

旧約聖書を知っていますか

一行書評
【アイヤー、ヨッ】
19歳の春、初めの海外旅行でルーブル美術館を訪問しようと思った時、「聖書物語」という、文字通り聖書を物語風にまとめた本を読みました。
おかげで、ルーブルに数多ある名画の意味を、わずかながら知ることができ、大変感銘を受けたのですが。。。
いかんせん聖書は馴染みのない国、なじみのない名前が多いこともあり、読んだ当初はともかく、しばらくすると誰が誰やらさっぱり分からなくなってしまいました。

そこにこの、「アイヤー、ヨッ」です。
アブラハムに始まり、イサク、ヤコブ、ヨセフと続く、旧約聖書始めの重要人物の系譜なのです。

「アイヤー、ヨッ」に始まり、旧約聖書を大胆に解釈し、わかりやすく料理してくれたのが、本書です。

本書と、同じく阿刀田さんの「新約聖書を知っていますか」と、手塚治虫の「ブッダ」、この3冊は、「セイントお兄さん」の解説書になくてはならない本です。


二行書評 〜もう1行付け加えるなら〜
【明日はオグリキャップが来る】

すぐれた競馬狂には明日のレースがまのあたりに見える時があるものらしい。
と阿刀田さんは書いています。
オグリキャップが来る、その信念がなきゃ駄目だ。全く神がかりみたいに、それがわかるときがあるんだよ。

イザヤという旧約聖書の預言者も、経験的な見聞や知識、そしてこの世界が神の意志によって営まれているという確信、それらが相まって、神の意志が観えるのだ、と。

阿刀田さんはキリスト教、仏教だけでなく、信仰を持たないと書いておられます。
なのでこのような見方が可能だったのではないかと思うのですが、本当はこう言いたかったのではないでしょうか。

神そのものも、「明日はオグリキャップが来る」という人の信念によって生み出されたものではなかったのだろうかと。