一行書評

様々な本のエッセンスを、ずばり一行でまとめています。

ちはやふる39巻【少しネタバレ】

一行書評

〜自分のがんばりを認めて欲しい人をたった1人選ぶとしたら〜

 

クイーンを目指してきた千早、名人を目指す新と太一の東西挑戦者戦の二試合が始まります。
詩暢ちゃんと練習をしている西の挑戦者、桃ちゃんは詩暢ちゃん同様左利きで、千早にとって不利な配列で挑んできます。
さらに、読手の牧野みどりさんはの読みは、「感じ」の良い千早と相性が悪いものでした。

一方、名人戦挑戦者戦では、新は太一に対して負の感情を抱く自分に戸惑っていましたが、それにより初めて太一をライバルとして見据えます。
新が終始リードしているように見えましたが、実は太一の陣に攻め込むことができずにいました。
最終盤、「ちは」や一字決まりで鋭い取りを見せ、新を追い詰める太一。
誰が太一のここまでの成長を予想できたでしょうか。
最後の一枚の行方はー

 

1巻ごとに千早と繋がっているヒーローが変わるような気がしますね。
39巻は、取り札で千早に発破をかけたり、「ちはやふる」を取ったりと、太一が千早とつながっている印象を受けました。

 

自分のがんばりを認めて欲しい人をたった1人選ぶとしたら

 

周防名人は、太一にとってそれは綿谷新をおいて他にはいないといいます。
肉まんくんも、ヒョロくんも、夢は「綿谷新の瞳に映りたい」と言います。

 

でも、太一にとって本当にそれは新でしょうか?
千早じゃないのかなあ?とも思いましたが、千早は恋愛の対象だから、認めて欲しいと言うのとは違うかもしれませんね。
男同士のライバル関係と言うことで言えば、やはり”かるた”では綿谷新なのかもしれません。

 

では、”真島太一の人生”という観点ではどうなのでしょうか?
太一は医学部を目指しています。
医師であるお父さんが感激するくらい地頭のいい太一。
とはいえ、医学部受験とカルタを両立させるのは並大抵の努力ではありません。
私の親戚にも医学部を目指した者がいますが、それこそ「青春すべてを賭け」なければ叶わない世界です。

 

今は確かに新に認めて欲しいかもしれません。
恋のライバルでもあるわけですし。
しかし、今後はどうでしょうか。
千早の心をどちらが射止めても、あるいはどちらも玉砕したとしても、彼らの人生は続きます。
太一は医学部に進学し、医者になるでしょう。
最後の最後でようやくカルタを楽しめるようになった太一は、医者になってもカルタを続けるかもしれません。
その時認めて欲しいのは、新でしょうか?
私には、同じ医者である原田先生のように思えます。
もしかしたら、今の太一のとっても、そうなのかもしれないとさえ考えています。

 

青春全部を賭けてから言いなさい

 

太一にカルタの呪いをかけたのは、原田先生のこの言葉です。
太一は呪いを解きたくて、もがき続けているのではないでしょうか?