一行書評

様々な本のエッセンスを、ずばり一行でまとめています。

ちはやふる 41巻【ネタバレ】

一行書評

〜夢を見る人と役割を担う人。選ぶならどっち?〜

 

引き続き、幕間的なお話です。
とはいえ、「ちはやふる」を”スポ根競技かるた”ではなく、”主人公たちの成長物語”と捉えるのなら、むしろ本筋かも。

 

詩暢ちゃんは矢継ぎ早にYouTubeをアップし、良くも悪くも話題になります。
学校には親が呼び出され、ネットではディスられ、自宅まで特定されます。
さらに新には勝つことができず、「若く 美しく 世界一強い」プライドがズタズタになります。

 

一方太一は周防名人の実家を訪問し、周防名人が網膜の病気を患っており、視野が欠けつつあることを知ります。
太一は、かなちゃんが入試間近のこの時期に、呉服の大江の後継として経済学部への志望変更を考えているという話を聞いて以来、「役割」「その場で自分が担うもの」について考え続けていました。

 

一方千早も、今まで断り続けていたTVの取材を受け入れます。
ツィッターやインスタを始め、取材では詩暢ちゃんを挑発します。
千早の役割は、「詩暢ちゃんを一人にしないこと」「詩暢ちゃんを一番理解する者になること」

 

詩暢ちゃんは千早の挑発を受け、クイーンとしてのプライドを再び取り戻します。
その姿を見て、桃ちゃんや小石川くん、そして詩暢ちゃんの母親をも味方に取り込みます。

 

一方千早は、クイーン戦が近づくにつれ、孤独感を深めていきます。
かなちゃんや肉まんくん、机くんからアドバイスを受けることはできる。
でも、太一には何を?

 

センター試験間近にも関わらず、数学の調子は上がらず、お姉ちゃんともギクシャクし、新と詩暢がいい感じなのにショックを受けます。

 

元旦、かるた部の後輩たちは初詣を誘いに来て、千早は一番楽しくかるたをしていた自分を思い出します。
それは、瑞沢高校かるた部でかるたをしていた日々。

 

新が電話をしてきて、千早に語ります。

おれ イメージできるで
千早がまず詩暢ちゃんに勝って
そのあとおれが周防さんに勝つんや

 


さて、いよいよ物語も大詰めのちはやふる
勝負の行方も気になりますが、恋愛模様も気になりますよね。

 

1巻おきに新と太一に気持ちが行ったり来たりしているような展開ですが、41巻は新と見せかけて実は太一なような気がします。

 

ラストで新が電話で名人・クイーン戦の夢を語ります。
新はいつも小学生時代を念頭に置いて語りますが、千早はその電話の直前、高校時代に自らが作り上げていたかるた部に想いを馳せています。

 

無明荒野にいた千早に絆を思い出させたのは、後輩たちに千早の初詣に付き合ってくれるよう頼んだ太一でした。

 

どうしても、新が自分のことしか考えていない俺様キャラにしか見えないんですよね。
俺様キャラは嫌いではないんですけど、俺様ならもっと振り切れてほしい。